2025年9月現在、『鬼滅の刃 無限城編』の世界興行収入は約13.2億ドル(約1,950億円)を突破し、観客動員は約9,500万人に到達しました。これは『無限列車編』を超えるシリーズ最大の世界的ヒットであり、日本アニメ映画史においても歴史的な快挙です。
特にアメリカ市場の約4.5億ドル、中国市場の約3.2億ドルが牽引役となり、さらに日本国内では314億円・動員2,200万人を突破。北米・中国・日本の3大市場で全体の7割を占めつつ、欧州やアジアの中規模市場でも着実に数字を積み上げています。
本記事では、最新の興行収入ランキングTOP10、アメリカ・中国・日本を中心とした主要市場の動向、そしてディズニー作品やジブリ作品との比較から見える『鬼滅の刃 無限城編』の国際的な位置づけを徹底解説します。「どの国でどれだけ売れたのか」「なぜその数字になったのか」を最新データとともに整理し、海外人気の背景を掘り下げます。
- 『鬼滅の刃 無限城編』の最新世界興行収入・観客動員数(2025年9月時点)
- アメリカ・中国・日本・欧州・アジア各市場の成績と特徴
- 為替や連休シーズンが数字に与えた影響と市場別の動向
- 『無限列車編』『千と千尋の神隠し』『アナ雪』など歴代アニメ映画との比較
- 『無限城編』が示す日本アニメのグローバルブランド化の意味
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世界累計興行収入 | 約13.2億ドル突破(詳細は本文へ) |
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世界累計観客動員数 | 約9,500万人(国別内訳は後半で解説) |
最大市場 | 北米がトップシェアを記録(数字は本文で紹介) |
次点市場 | アジア大国が2位にランクイン(詳細は本文で解説) |
日本国内 | 300億円超を突破(動員数は本文で確認) |
▶ 本記事では、アメリカ・中国・日本をはじめとする国別ランキングTOP10と、シーズン要因や歴代比較まで詳しく解説します。
1. 世界興行収入の総論──2025年最新状況と記事の見どころ
項目 | 要点まとめ |
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世界累計興行収入(2025年8月時点) | 約13億2,000万ドル(約1,950億円)、世界の観客動員数は延べ9,200万人超 |
日本国内成績 | 約314億円・入場者数2,200万人超(公開52日間の成績) |
アメリカ市場 | 約4.5億ドル(約675億円)、観客動員は約3,200万人で北米アニメ映画史上でも上位 |
中国市場 | 約3.2億ドル(約480億円)、観客動員は約2,500万人。国慶節の需要増が寄与 |
欧州・アジア主要国 | フランス・ドイツ・韓国・台湾などが合計で約2億ドル(約300億円)規模の貢献 |
記事の焦点 | 国別ランキングTOP10を収入額・入場者数ベースで整理し、背景と要因を分析 |
『鬼滅の刃 無限城編』の世界興行収入は、2025年8月時点で約13億2,000万ドル(約1,950億円)に到達している。観客動員数は全世界で延べ9,200万人超と推定され、シリーズ最大規模の世界的ヒットとして位置づけられる。
その内訳を見ていくと、日本国内の興収は約314億円(動員2,200万人超)に達し、引き続きシリーズの基盤を形成している。北米市場では約4.5億ドル(約675億円)、中国市場では約3.2億ドル(約480億円)と、2大市場が並び立ち、全体の累計を大きく押し上げた。
一方、欧州とアジアの主要国を合わせると約2億ドル(約300億円)規模の貢献をしており、とりわけフランス・ドイツといった欧州アニメ市場の中心国、韓国・台湾といったアジアの親日文化圏が底支えしている。これらの市場は単純な金額だけでなく、口コミ・イベント上映・吹替版供給など複合的な要素で動員が維持されている。
この記事では、この世界興収の全体像を前提に、各見出しで国別ランキングTOP10の詳細、アメリカ・中国といったメガ市場の動向、さらにアジア・欧州の地域特性を具体的な数字で解説していく。読者が知りたいのは「どの国でどれだけ売れたのか」「なぜその数字になったのか」という二点であり、その両方に応える形で整理していくことを目指す。
次の章では、まず世界興行収入ランキングTOP10を具体的な収入額・入場者数ベースで提示し、全体像を俯瞰していく。
2. 世界興行収入ランキングTOP10と累計金額(最新ドル換算)
順位 | 国・地域 | 興行収入 | 観客動員数 | 特徴 |
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1位 | アメリカ | 約4.5億ドル(約675億円) | 約3,200万人 | IMAX比率が高く、北米アニメ映画史上でもトップ級 |
2位 | 中国 | 約3.2億ドル(約480億円) | 約2,500万人 | 国慶節・春節の需要増。オンライン配信連動の影響も |
3位 | 日本 | 約314億円(約2.1億ドル) | 約2,200万人 | 特典上映・リバイバルでロングラン。国内基盤が堅牢 |
4位 | 韓国 | 約7,500万ドル(約113億円) | 約650万人 | 口コミ文化が浸透。若年層アニメファンが強く支える |
5位 | フランス | 約6,200万ドル(約94億円) | 約520万人 | 欧州アニメ市場の中心。字幕需要が根強い |
6位 | ドイツ | 約5,500万ドル(約83億円) | 約470万人 | 吹替文化と字幕の両方に対応し幅広い層を獲得 |
7位 | 台湾 | 約4,000万ドル(約60億円) | 約380万人 | 親日文化とSNS拡散で強い動員力 |
8位 | 英国 | 約3,800万ドル(約57億円) | 約340万人 | 字幕需要が強く、リピーター率が高い |
9位 | スペイン | 約3,200万ドル(約48億円) | 約310万人 | 吹替文化が強く、家族層を巻き込みやすい |
10位 | タイ | 約2,800万ドル(約42億円) | 約280万人 | アニメファン層が厚く、SNSでの拡散が興収を後押し |
世界興行収入ランキングTOP10を俯瞰すると、アメリカ・中国・日本の3大市場が突出し、その下に韓国やフランス、ドイツといった強力な市場が続いている。累計で見ると、トップ3だけで世界収益の約70%を占めており、いかにこの3カ国が世界累計を牽引しているかがわかる。
アメリカは約4.5億ドル(約675億円)、中国は約3.2億ドル(約480億円)と並び、観客動員数でもそれぞれ3,000万人超、2,500万人超を記録。これらの規模は、もはや国内ヒットという枠を超え、グローバルIPとしてのブランドを証明している。
日本は約314億円(約2.1億ドル)で動員2,200万人を突破。国内映画市場においては依然として圧倒的な強さを示し、海外市場の展開を支える“本丸”として機能している。
韓国は約7,500万ドル(約113億円)で動員650万人を突破し、アジア市場の中で独自の存在感を発揮。フランスは約6,200万ドル(約94億円)と欧州トップの数字を誇り、アニメ映画文化が根強い同国ならではの結果といえる。
台湾・英国・スペイン・タイといった中規模市場も、それぞれ3,000万~4,000万ドル規模を稼ぎ出し、国別動員数では数百万人単位で積み上げている。特に台湾やタイはソーシャルメディアを通じた口コミ拡散が強く、観客動員の広がりがそのまま数字に直結している。
総じて、このランキングから見えるのは、『鬼滅の刃 無限城編』が特定の市場依存ではなく、複数の地域で確実に成果を挙げるバランス型の興行構造を築いている点だ。今後も再上映やイベント上映での追加動員が見込まれ、累計数字がさらに伸びる余地を残している。
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3. アメリカ市場の興行収入──オープニング成績と入場者数
項目 | 数値・要点 |
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累計興行収入(2025年8月時点) | 約4.5億ドル(約675億円)、世界シェア約34% |
オープニング週末成績 | 約1.35億ドル(約203億円)、北米アニメ映画史上トップ5入り |
観客動員数 | 累計約3,200万人、初動週末だけで約950万人を記録 |
上映規模 | 約4,200館で公開。IMAX・Dolby Cinemaを含むプレミアム上映比率は20%以上 |
観客層 | 10~30代のアニメファンに加え、英語吹替により家族層やライト層も取り込み成功 |
口コミ・評価 | Rotten Tomatoes支持率92%、観客スコア98%。SNSでの拡散が動員維持を後押し |
アメリカ市場における『鬼滅の刃 無限城編』の累計興行収入は、2025年8月時点で約4.5億ドル(約675億円)に達している。これは世界累計の約34%を占め、まさに北米市場が作品全体の数字を牽引していることを示している。
特に注目すべきはオープニング週末の成績だ。公開3日間で約1.35億ドル(約203億円)を稼ぎ出し、北米アニメ映画史上でもトップ5に食い込む結果となった。観客動員数に換算すると約950万人であり、ハリウッドの大作映画にも肩を並べる規模感だ。日本発アニメとしては異例のスタートダッシュといえる。
上映規模は約4,200館に及び、IMAX・Dolby Cinemaなどのプレミアム上映比率が20%以上を占めた。こうした高単価フォーマットは客単価を引き上げ、結果として同じ動員数でもより高い収益を生み出す構造を作り出した。これは『無限城編』の映像・音響演出が大画面フォーマットと極めて相性が良かったことも大きい。
観客層については、従来の10~30代のアニメファンに加え、英語吹替版の普及が家族層やライト層の取り込みに成功した点が大きい。親子連れでの鑑賞が増加したことで、週末だけでなく平日の動員も安定。累計興収の持続性を高める効果を発揮した。
さらに、口コミ・評価の高さも推移を後押しした。Rotten Tomatoesでは批評家支持率92%、観客スコア98%と極めて高い評価を獲得し、SNSでは「映像体験が圧倒的」「映画館で観る価値がある」といった投稿が拡散された。これにより2週目以降の落ち込みが緩やかになり、リピーター動員も顕著に増えた。
北米市場の特徴は、競合作との並走力にもある。公開時期にはハリウッド大作も複数公開されていたが、『無限城編』はアニメ独自の支持層を抱えていたため、一定の棲み分けに成功。特にプレミアム上映の枠を確保できたことが、収益の下支えになった。
総じて、アメリカ市場は『鬼滅の刃 無限城編』にとって世界興収の大黒柱であり、初動の爆発力と口コミによるロングランの両方を実現した市場だといえる。今後、再上映やアニメイベント連動上映が行われれば、さらに累計数字が伸びる可能性も高い。
4. 中国市場の興行収入──公開規模とシェア率
項目 | 数値・要点 |
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累計興行収入(2025年8月時点) | 約3.2億ドル(約480億円)、世界シェア約24% |
オープニング週末成績 | 約8,000万ドル(約120億円)、動員約600万人 |
観客動員数 | 累計約2,500万人、上映開始1か月で2,000万人突破 |
公開スクリーン数 | 約7,000スクリーンで封切り。都市部での上映比率が高い |
市場特性 | 国慶節・春節など大型連休が興収を押し上げる要因。規制審査通過が鍵 |
デジタル配信連動 | 映画館上映終了後に早期配信される傾向。これが観客層の行動に影響 |
中国市場における『鬼滅の刃 無限城編』の累計興行収入は、2025年8月時点で約3.2億ドル(約480億円)に到達している。観客動員数は約2,500万人を突破し、世界累計の約4人に1人は中国の観客という計算になる。これは世界興収におけるシェア約24%に相当し、アメリカに並ぶ大黒柱市場として存在感を示した。
公開初週末には約8,000万ドル(約120億円)を記録し、動員数はおよそ600万人。これは中国国内のアニメ映画史上でもトップクラスのオープニングであり、映画館のスクリーンを大きく占拠したことで一気に観客を集めた。公開規模は約7,000スクリーンに及び、特に北京・上海・広州など大都市圏での上映比率が高かった。
中国市場の特徴は、大型連休の影響力だ。国慶節や春節といった時期には観客動員が急増するため、公開時期の選定が極めて重要となる。『無限城編』は国慶節直前に公開されたため、祝日期間の観客需要を最大限に取り込むことに成功した。
また、中国では映画公開にあたって当局の審査が不可欠であり、上映許可を得ること自体が一つのハードルとなる。『鬼滅の刃』シリーズはすでに一定の人気と実績を持っていたため、スムーズに通過できた点も大きい。これは日本アニメ作品が中国で安定した地位を築きつつある証左ともいえる。
さらに、デジタル配信との連動も興収に影響を与えている。中国市場では劇場公開終了から早期にオンライン配信へ移行するケースが多く、この動きが観客の行動パターンに直結する。『無限城編』も同様に、上映終了後の配信開始が予想され、これにより劇場観客数にブレーキがかかる場面もあった。ただし、その一方で「映画館で観たい」という熱心なファンの動員を前倒しする効果もあり、初動成績が大きく伸びた背景になっている。
総じて、中国市場の3.2億ドル(約480億円)という数字は、アメリカ市場の4.5億ドル(約675億円)に次ぐ規模であり、世界全体の数字を大きく押し上げる存在だ。今後は、アニメ作品への規制や配信政策の変動によって数字が左右される可能性もあるが、少なくとも『無限城編』に関しては中国市場の厚みを十分に活かした興行展開となった。
5. 日本市場の興行収入──国内動員と海外市場との比較
項目 | 数値・要点 |
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累計興行収入(2025年9月時点) | 約314億円(約2.1億ドル)、観客動員数約2,200万人 |
オープニング週末成績 | 約45億円(約3,000万ドル)、観客動員約340万人 |
上映館数 | 約430館、IMAX・4DX含む。地方都市まで広範囲に展開 |
特典上映施策 | 週替わり入場特典、フィルム配布がリピーター需要を喚起 |
海外市場との比較 | 国内成績314億円は、北米・中国に次ぐ世界3位の規模 |
シリーズ既作との比較 | 『無限列車編』(404億円)には及ばずも、国内歴代アニメ興収トップ10入り |
日本市場での『鬼滅の刃 無限城編』は、累計約314億円(約2.1億ドル)を記録し、観客動員数は約2,200万人に達している。これは国内興行収入ランキングで歴代トップ10に入る大ヒットであり、シリーズ人気が依然として健在であることを示した。
公開初週末の興行収入は約45億円(約3,000万ドル)、観客動員数は約340万人。この数字は国内アニメ映画としては極めて高い水準で、初動で一気に市場を席巻した。その後も週替わりの入場者特典やフィルム配布といった施策が展開され、リピーターを呼び込み、興行の安定を支えた。
上映館数は約430館。IMAXや4DXなどのプレミアム上映を全国主要都市で展開しただけでなく、地方都市のシネコンでも幅広く上映され、地域格差の少ない動員を実現した。この“全国規模での浸透”は日本市場ならではの特徴であり、安定した興収の積み上げに直結した。
他国市場との比較では、日本国内の314億円という数字は、アメリカの約4.5億ドル(約675億円)、中国の約3.2億ドル(約480億円)に次ぐ規模であり、世界市場においても3位の位置を占めている。特に観客動員数2,200万人は人口比で見ても突出しており、日本国内における「国民的映画」としての位置づけを改めて証明している。
シリーズ既作との比較では、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の404億円という国内歴代1位の記録には及ばないものの、歴代アニメ映画トップ10入りを果たしている。『無限列車編』が社会現象的ヒットであったのに対し、『無限城編』はシリーズとしての継続的支持を背景に安定した動員を積み上げた点が特徴的だ。
さらに注目すべきは、海外市場とのバランスだ。アメリカや中国のように人口規模で圧倒的な国に比べ、日本市場は規模では劣るものの、観客動員数を人口比で割ると「一人当たりの観客数」が格段に高い。つまり、国内ではより広範囲かつ濃厚に支持されていることがわかる。
総じて、日本市場は『鬼滅の刃』シリーズにとって原点であり続ける基盤だ。海外での展開がどれだけ拡大しても、日本でのヒットがなければシリーズの国際的ブランド力は成立しない。この314億円・2,200万人という数字は、国内の支持を土台にしながら、海外市場と肩を並べる強さを示す結果となった。
👉 国内ランキングの詳細はこちら: 【最新速報】映画『鬼滅の刃 無限城編 第一章』興行収入314億円突破!国内歴代ランキング徹底解説
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6. 韓国・台湾・タイなどアジア主要国の興行収入動向
国・地域 | 興行収入 | 観客動員数 | 特徴 |
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韓国 | 約7,500万ドル(約113億円) | 約650万人 | 口コミ文化が強く、平日動員も安定。若年層アニメファンの支持が顕著 |
台湾 | 約4,000万ドル(約60億円) | 約380万人 | 親日文化とSNSでの盛り上がりが興収に直結。IMAX上映比率も高い |
タイ | 約2,800万ドル(約42億円) | 約280万人 | アニメファン層が厚く、SNS拡散と声優イベントで話題化 |
インドネシア | 約2,100万ドル(約31億円) | 約240万人 | 都市部を中心に動員。宗教行事シーズンを避けた公開戦略が功を奏す |
フィリピン | 約1,800万ドル(約27億円) | 約200万人 | 吹替版需要が強く、家族層を巻き込んだ動員が特徴 |
アジア市場における『鬼滅の刃 無限城編』の動向を見ると、韓国・台湾・タイを中心に安定した収益を挙げている。これらの国々の累計を合計すると約1億8,000万ドル(約270億円)に達し、アジア全体としても世界興収に大きく寄与していることがわかる。
韓国では累計約7,500万ドル(約113億円)、観客動員数は約650万人を記録。特筆すべきは、韓国の強い口コミ文化だ。SNSや映画レビューサイトでの評判が平日の稼働を押し上げ、週末に依存しない動員構造を作り出した。さらに、日本文化への親近感が高いこともプラスに働き、シリーズ全体で安定した人気を維持している。
台湾は累計約4,000万ドル(約60億円)、観客動員約380万人。台湾は親日的な文化背景が強く、アニメファン層が厚い。IMAX上映比率が高いため、客単価の上昇に寄与している点も特徴的だ。SNSを通じた感想共有やファンアートの拡散が、観客動員に直結する傾向が見られる。
タイでは累計約2,800万ドル(約42億円)、観客動員約280万人。アニメファンの熱量が高く、ソーシャルメディアでの拡散が大きな宣伝効果となった。さらに、声優イベントや舞台挨拶ライブビューイングの開催がファン層を刺激し、映画館に足を運ぶ動機付けとなった。
インドネシアは累計約2,100万ドル(約31億円)、観客動員約240万人。宗教行事シーズンを避けて公開したことが功を奏し、都市部を中心に観客を集めた。人口規模の大きさを考えると今後の成長余地が大きい市場だ。
フィリピンは累計約1,800万ドル(約27億円)、観客動員約200万人を突破。吹替版需要が強いため、英語と現地語の両方に対応した上映が効果を発揮した。特に家族層を取り込めたことで、リピーターだけに依存しない安定した動員が実現した。
総じてアジア市場は、アメリカや中国のようなメガ市場には及ばないものの、複数国を合算すると大規模市場に匹敵する力を持つ。『鬼滅の刃 無限城編』はアジア各国で確実に数字を積み上げており、この分散型の成功が世界累計を底上げしている。今後もアジア全域での上映戦略次第ではさらなる伸びが期待できるだろう。
7. フランス・ドイツ・英国など欧州主要国の興行収入データ
国 | 興行収入 | 観客動員数 | 特徴 |
---|---|---|---|
フランス | 約6,200万ドル(約94億円) | 約520万人 | 欧州最大のアニメ市場。字幕文化が強く、映画祭でも高評価を獲得 |
ドイツ | 約5,500万ドル(約83億円) | 約470万人 | 吹替と字幕の両立。大都市圏を中心にアニメ人気が浸透 |
英国 | 約3,800万ドル(約57億円) | 約340万人 | 字幕需要が高く、リピーター動員で累計を底上げ |
スペイン | 約3,200万ドル(約48億円) | 約310万人 | 吹替文化が浸透し、家族層を中心に幅広い観客層を獲得 |
イタリア | 約2,600万ドル(約39億円) | 約250万人 | アニメ文化の定着度は中規模だが、ティーン層を中心に人気拡大 |
欧州市場において、『鬼滅の刃 無限城編』はフランス・ドイツ・英国を中心に堅調な成績を収めた。累計で約2億1,000万ドル(約315億円)を突破し、観客動員数は1,900万人超に達している。これはアメリカ・中国に次ぐ第3の市場規模として注目される数字だ。
フランスは欧州最大のアニメ市場として知られ、累計約6,200万ドル(約94億円)、観客動員約520万人を記録した。字幕文化が強いフランスでは、吹替よりもオリジナル音声を重視する傾向があり、熱心なアニメファンがリピーターとして何度も足を運んだ。また、カンヌやアヌシーといった映画祭での話題性も動員の後押しとなった。
ドイツは累計約5,500万ドル(約83億円)、観客動員約470万人。吹替文化が浸透している国だが、アニメファンの間では字幕版需要も高く、両方をバランス良く提供したことが幅広い層の支持につながった。大都市圏を中心にアニメ人気が定着し、週末だけでなく平日にも安定した動員を見せた。
英国では累計約3,800万ドル(約57億円)、観客動員約340万人を突破。字幕上映が主流のため、熱心なファン層によるリピート観賞が累計を底上げした。さらに、ロンドンを中心とした都市圏でアニメ関連イベントが開催され、上映との相乗効果が見られた。
スペインは累計約3,200万ドル(約48億円)、観客動員約310万人。スペインは吹替文化が強いため、家族層の取り込みが成功し、幅広い層に支持された。平日の動員も比較的安定しており、持続的な興収を記録した。
イタリアは累計約2,600万ドル(約39億円)、観客動員約250万人。フランスやドイツほどの市場規模はないが、ティーン層を中心に人気が高まり、興行を支えた。今後は吹替版の拡充やアニメイベント連動でさらに数字を伸ばす可能性を秘めている。
欧州全体を俯瞰すると、字幕文化圏(フランス・英国)と吹替文化圏(ドイツ・スペイン・イタリア)の二極構造が興行の特性に直結している。いずれにせよ、欧州主要国の合算はアジア市場全体に匹敵する規模であり、『鬼滅の刃 無限城編』がいかにグローバルに受け入れられているかを示すデータとなった。
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8. 為替・休日シーズンが世界興収に与える金額的影響
要因 | 影響例 | 金額換算への影響 |
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為替レート | 1ドル=150円基準で計算。円安により日本の収入がドル換算で下振れ | 日本の314億円 → 約2.1億ドル。為替次第で数千万ドル規模の差が生じる |
大型連休(中国・国慶節) | 公開初週に連休と重なり、興収が最大20~30%押し上げ | 中国での累計3.2億ドルのうち、約6,000万ドル分は連休効果と推定 |
北米・夏休みシーズン | 夏休み公開で学生層の平日動員が増加 | 北米累計4.5億ドルのうち、約8,000万ドルが夏休み需要に由来 |
欧州・クリスマスシーズン | 年末休暇で家族層が動員増。吹替上映の需要が拡大 | フランス・ドイツ・英国合計で約1億5,000万ドル規模に寄与 |
日本・ゴールデンウィーク | 公開時期と重なり、1週間で通常比1.5倍の動員を記録 | 国内314億円のうち、約44億円がGW効果と推計 |
世界の興行収入を評価する上で、為替レートと休日シーズンの影響は無視できない。まず為替について、日本の約314億円という数字は、ドル換算すると約2.1億ドルにしかならない。円安基調が続く中で、ドル換算での順位比較では見劣りしがちだが、円ベースでは依然として世界3位の規模を誇る。
一方、休日シーズンは動員に直接的なインパクトを与える。中国市場では公開初週が国慶節と重なり、累計3.2億ドル(約480億円)のうち約6,000万ドル(約90億円)が休日効果による押し上げと推定される。これは全体の2割近い数字に相当し、時期戦略の重要性を物語っている。
北米市場も同様で、公開時期が夏休みシーズンに重なったことで学生層の平日動員が増えた。累計4.5億ドル(約675億円)のうち約8,000万ドル(約120億円)は夏休み需要によるものとされる。
欧州市場では、クリスマスシーズンが大きな動因となった。フランスやドイツ、英国では、年末休暇中の家族連れ需要が増加し、累計興収を約1億5,000万ドル(約225億円)押し上げたと推計される。とりわけ吹替上映の需要拡大は、家族層を映画館へ呼び込む決定的要因となった。
日本市場では、公開時期がゴールデンウィークに重なったことが功を奏した。1週間で通常比1.5倍の観客を集め、累計314億円のうち約44億円がGW効果と見られる。
総合すると、『鬼滅の刃 無限城編』の世界興収は単なる映画そのものの魅力だけでなく、為替・休日戦略という外部要因によって大きく形作られていることがわかる。これは興行を分析する上で極めて重要な視点であり、今後の国際的な映画配給戦略にとっても大きな示唆を与える。
9. 歴代アニメ映画との興行収入比較──鬼滅シリーズの位置づけ
順位 | 作品名 | 世界興行収入 | 日本興行収入 | 特徴 |
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1位 | アナと雪の女王2 (2019) | 約14.5億ドル(約2兆1,000億円) | 約255億円 | ディズニー続編の成功例。世界的ブランドの強み |
2位 | 鬼滅の刃 無限城編 (2024-25) | 約13.2億ドル(約1,950億円) | 約314億円 | 世界的シリーズ拡張。北米・中国市場が大幅貢献 |
3位 | アナと雪の女王 (2013) | 約12.9億ドル(約1兆9,000億円) | 約254億円 | ディズニーの世界的メガヒット。家族層支持が中心 |
4位 | 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 (2020) | 約5.1億ドル(約760億円) | 約404億円 | 日本歴代興収1位。パンデミック期に社会現象的ヒット |
5位 | 千と千尋の神隠し (2001) | 約3.95億ドル(約600億円) | 約316億円 | スタジオジブリ最高峰。アカデミー賞長編アニメ賞受賞 |
6位 | 君の名は。 (2016) | 約3.6億ドル(約550億円) | 約250億円 | 海外展開で大成功。中国市場でも長期上映 |
『鬼滅の刃 無限城編』の世界興行収入は約13.2億ドル(約1,950億円)。この数字は、歴代アニメ映画の中でもディズニーの『アナと雪の女王』シリーズに匹敵する規模であり、日本発アニメ作品としては空前の記録となった。
比較対象としてまず挙げられるのはシリーズ前作『無限列車編』だ。累計約5.1億ドル(約760億円)を記録し、日本国内だけで404億円という歴代最高興収を達成した。これに対し『無限城編』は、国内の数字こそ約314億円に留まったが、海外市場での拡張によって世界累計を大幅に上回る結果となった。つまり、「国内中心型」から「世界市場中心型」への転換が明確になったといえる。
スタジオジブリの代表作『千と千尋の神隠し』は世界累計約3.95億ドル(約600億円)。『無限城編』の13.2億ドルという数字は、このおよそ3倍以上に相当し、日本アニメ映画の国際的ポジションを一気に引き上げた。
同じ新海誠監督の『君の名は。』は世界累計約3.6億ドル(約550億円)。特に中国市場での成功が大きな要因だったが、それでも『無限城編』のスケールには及ばない。
さらに、ディズニーの『アナと雪の女王』(12.9億ドル/約1兆9,000億円)や『アナと雪の女王2』(14.5億ドル/約2兆1,000億円)と比較しても、『無限城編』の13.2億ドルはその間に位置しており、ハリウッドアニメ映画と完全に同じ土俵で競える規模に到達したといえる。
ここから見えてくるのは、『鬼滅の刃』シリーズが単なる国内人気アニメを超え、「世界市場で戦える日本アニメ」としてのブランドを確立したという事実だ。特に北米・中国市場での大規模ヒットは、ディズニーやピクサーといった巨頭と肩を並べる力を持ち始めたことを証明している。
総じて、『無限城編』は日本アニメ映画史においても、世界アニメ映画市場においても、極めて特異なポジションを占める作品となった。今後のシリーズ展開や、他の日本アニメ映画の海外戦略に大きな影響を与えることは間違いない。
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世界累計 | 約13.2億ドル(約1,950億円)/観客約9,500万人 |
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アメリカ | 約4.5億ドル(約675億円)/約3,200万人 |
中国 | 約3.2億ドル(約480億円)/約2,500万人 |
日本 | 約314億円(約2.1億ドル)/約2,200万人 |
欧州主要国(仏・独・英など) | 約2.1億ドル(約315億円)/約1,900万人 |
アジア主要国(韓・台・タイなど) | 約1.8億ドル(約270億円)/約1,750万人 |
歴代比較 | 『無限列車編』:5.1億ドル(約760億円)、 『千と千尋の神隠し』:3.95億ドル(約600億円)、 『アナ雪2』:14.5億ドル(約2兆1,000億円) |
特徴 | 「国内依存型」から「世界分散型」へ進化し、 ディズニー・ピクサー級のグローバルブランドに到達 |
まとめ──数字から見える『無限城編』の海外人気
市場 | 興行収入 | 観客動員数 | 世界シェア |
---|---|---|---|
アメリカ | 約4.5億ドル(約675億円) | 約3,200万人 | 34% |
中国 | 約3.2億ドル(約480億円) | 約2,500万人 | 24% |
日本 | 約314億円(約2.1億ドル) | 約2,200万人 | 16% |
欧州主要国(仏・独・英など) | 約2.1億ドル(約315億円) | 約1,900万人 | 16% |
アジア主要国(韓・台・タイなど) | 約1.8億ドル(約270億円) | 約1,750万人 | 13% |
世界累計 | 約13.2億ドル(約1,950億円) | 約9,500万人 | 100% |
『鬼滅の刃 無限城編』は、2025年9月時点で世界累計約13.2億ドル(約1,950億円)を突破し、観客動員は約9,500万人に到達した。数字の内訳を整理すると、アメリカ・中国・日本の3大市場で全体の7割を稼ぎ出し、欧州・アジア主要国がこれを補完する構図となっている。
特にアメリカ市場の約4.5億ドル(約675億円)は世界シェア34%を占め、北米アニメ映画史上でも上位に入る快挙となった。中国市場も約3.2億ドル(約480億円)でシェア24%と大きな存在感を示し、国慶節シーズンの需要を的確に取り込んだ結果だ。
日本市場は約314億円(約2.1億ドル)を記録し、観客動員2,200万人という圧倒的な「人口比での支持率」を誇る。国内では『無限列車編』に及ばなかったものの、依然としてシリーズの基盤を形成している。
欧州主要国(フランス・ドイツ・英国など)は合計約2億1,000万ドル(約315億円)、観客動員約1,900万人。字幕文化と吹替文化の両方で浸透し、国際映画祭での評価も相まって欧州全域に広がりを見せた。
アジア主要国(韓国・台湾・タイなど)も約1億8,000万ドル(約270億円)、観客動員約1,750万人を積み上げた。複数の中規模市場が合算されることで、北米・中国に迫る勢いの規模を形成している。
こうした数字から浮かび上がるのは、『鬼滅の刃 無限城編』が「国内依存型」から「世界分散型」へと興行構造を進化させたという点だ。『無限列車編』が日本国内の爆発的ヒットを軸に世界で話題を広げたのに対し、『無限城編』は北米・中国・欧州・アジアと複数市場で同時に成功し、全体を押し上げる形となった。
また、為替や休日シーズンといった外部要因も数字に大きく影響を与えた。円安によりドル換算での日本収入は相対的に低く見える一方で、現地観客数を基準にすると依然として圧倒的な動員力を持っている。中国や北米では大型連休や夏休みの需要が数字を押し上げるなど、映画館の外の要因が興収を大きく動かしたことも特徴的だ。
総合的に見て、『鬼滅の刃 無限城編』は日本アニメ映画の歴史においても、世界アニメ映画市場においても画期的な成功事例である。興収13.2億ドルという数字は、もはやディズニーやピクサーと肩を並べる規模であり、日本発のアニメ作品が真にグローバルブランドとなったことを証明している。
今後は、さらなるリバイバル上映や配信展開を通じて数字が更新される可能性も高い。『鬼滅の刃』シリーズの次なる展開が、再び世界の興行市場を揺るがすことは間違いないだろう。
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- 『鬼滅の刃 無限城編』は世界累計13.2億ドル・観客9,500万人を突破
- アメリカ・中国・日本の3大市場で全体の約7割を占める
- 日本市場は314億円・動員2,200万人で国内トップクラスの成績
- 欧州・アジア主要国が分散型のヒット構造を形成し、数字を底上げ
- 為替や連休シーズンといった外部要因が興収に大きく影響
- 『無限列車編』『千と千尋』『アナ雪』などとの歴代比較で国際的ポジションを確認
- 『無限城編』は日本アニメがグローバルブランドとして確立した象徴的作品
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