【原作は実話？】『宇宙よりも遠い場所』は完全オリジナル？驚きの制作背景とは

『宇宙よりも遠い場所』は、2018年に放送された青春×冒険ジャンルのアニメで、多くのファンの心をつかみました。

「原作は実話なの？」「オリジナル作品なの？」といった疑問を抱く人も多く、検索キーワードとして「原作」「実話」「オリジナル」「制作背景」が多く使われています。

この記事では、『宇宙よりも遠い場所』がどのようにして生まれたのか、実在のエピソードとの関係や、リアリティを追求した制作の舞台裏を徹底的に解説します。

『宇宙よりも遠い場所』は完全オリジナルアニメ！

アニメ『宇宙よりも遠い場所』は、特定の原作に基づかない、完全なオリジナル作品です。

原作がマンガや小説といった形で存在しないにもかかわらず、世界中の視聴者から高評価を受けた点で、非常に珍しい作品といえるでしょう。

本作は『ノーゲーム・ノーライフ』チームが手掛けたオリジナルTVアニメとして、2018年に放送されました。

実話に基づくエピソードはある？

タイトルに「宇宙よりも遠い場所」とあることから、「もしかして実話なの？」と思う方もいるかもしれません。

実際のところ、ストーリーは完全にフィクションです。

しかし、南極観測隊の描写や環境描写には、現実の知識や体験が色濃く反映されています。

たとえば、南極に実在する昭和基地を舞台にしたり、観測船「しらせ」がモデルになっていたりと、リアリティの高い設定が随所に見られます。

“よりもい”の由来と原作表記の真相

本作の原作クレジットには「よりもい」とだけ記載されています。

これは作品の略称であり、特定の原作者や原作本が存在しないということを示しています。

つまり、「原作＝よりもい」というのは、企画チーム・制作陣による完全オリジナルのプロジェクトであることの象徴です。

監督のいしづかあつこ氏と、脚本の花田十輝氏によるコンセプトが軸となり、ゼロから立ち上げられた物語なのです。

このように、『宇宙よりも遠い場所』は事実にインスパイアされつつも、創造性に満ちたオリジナルアニメとして構築されているのです。

リアリティの裏にある徹底した調査と協力体制

『宇宙よりも遠い場所』がこれほどまでにリアルで説得力のある作品になったのは、実在の南極観測の知識や現場経験をベースに構成されたからです。

制作チームはアニメの域を超えて、実在の機関との協力を得ながら、極地のリアルを徹底的に追求しました。

その姿勢こそが、観る者に「これは本当にあった話かもしれない」と思わせる説得力を生み出しているのです。

文部科学省・国立極地研究所・海上自衛隊の支援

この作品では、日本の南極観測事業を支える実在の組織が制作協力に参加しています。

中でも特筆すべきは以下の機関の関与です。

• 文部科学省（観測事業の監修）
• 国立極地研究所（南極環境や研究施設の監修）
• 海上自衛隊（観測船や訓練描写の協力）

特に砕氷船「しらせ」をモチーフとした船「ペンギン饅頭号」の登場など、南極観測のリアルな運用が作品内で忠実に再現されています。

こうした協力体制により、フィクションでありながらドキュメンタリーに近いリアリティを実現しています。

モデルとなった高校や観測船とは

作品内で登場する高校「多々良西高校」は、群馬県桐生市にある桐生市立商業高等学校がモデルになっています。

また、観測船の描写においても、2代目しらせ（正式名称：SHIRASE5002）がモデルとして使われています。

現役の観測隊が使用していた実在船を改造した設定であり、乗船中の生活や南極での活動における描写も非常にリアルです。

このように、アニメの枠を越えた本格的な調査と監修によって、南極の過酷で美しい世界をリアルに描き出すことができたのです。

【オリジナルTVアニメーション『宇宙よりも遠い場所』PV】

リアルなキャラ設定に隠された制作意図

『宇宙よりも遠い場所』の魅力は、南極という非日常の舞台設定だけではありません。

それ以上に視聴者の心をつかんだのが、キャラクターたちの「等身大の悩み」と「成長」でした。

制作陣はキャラクターを単なる記号として描くのではなく、“リアルな青春”を象徴する存在として設計しています。

女子高生×南極＝“地に足のついた青春物語”

当初、南極という過酷な場所に女子高生が行くという設定は「非現実的」と思われる可能性もありました。

しかし脚本の花田十輝氏は、「南極のディテールではなく、キャラクターの変化にこそ注目してもらいたい」と語っています。

その意図のもと、4人の女子高生たちはそれぞれに自分の過去・恐れ・夢を抱えており、それを旅を通じて乗り越えていく構成となっています。

• 玉木マリ（キマリ）：一歩を踏み出す勇気が持てない少女
• 小淵沢報瀬：亡き母との再会を願い続ける頑固な探求者
• 三宅日向：過去のトラウマから逃げながらも自立を目指す
• 白石結月：有名子役だが「本当の友達」を知らない孤独

こうした設定があるからこそ、観る者は彼女たちに自分を重ね、南極行き＝人生の“変化”の象徴として物語を受け取るのです。

登場人物たちの内面に宿る「等身大の葛藤」

キャラクターたちは決して最初から完璧ではありません。

自信が持てず、自分を信じることもできず、時に他人に嫉妬し、すれ違いながらも成長していきます。

例えば、キマリが旅立ちの朝に親友から絶交を告げられるシーンは、その象徴的な場面です。

それでも彼女は前に進み、旅の中で本当の友情を築いていく姿は、多くの視聴者の共感を呼びました。

これらのキャラクター設計はすべて、視聴者の心に“刺さる”ための仕掛けとして丁寧に組み込まれており、

「自分にもこういう時があった」と感じさせる力強い青春描写が、多くの共感を呼んでいます。

『ノーゲーム・ノーライフ』チームが挑んだリアル表現

『宇宙よりも遠い場所』は、人気作『ノーゲーム・ノーライフ』を手がけたスタッフ陣が制作したことでも注目を集めました。

しかし、作品の方向性は真逆とも言える内容で、完全な“リアル志向”の青春アニメへと大きく舵を切ったのです。

その背景には、スタッフ陣の中にあった“今だからこそ描きたい、現実に寄り添う物語”への挑戦がありました。

同時進行で作られた“ファンタジー”と“リアル”

本作の企画が立ち上がったのは、『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』の制作とほぼ同時期。

つまり、1つのチームがファンタジー世界とリアル世界という全く異なる2作品を同時進行で手掛けていたのです。

監督のいしづかあつこ氏は、リアルを描くことの難しさをたびたび語っており、

「ファンタジーは嘘がつける。でも、現実は“嘘をつけない”」という姿勢で制作に向き合ったとされています。

例えば、南極の気象や生活環境の描写においても、すべてに裏付けがあることを徹底して表現。

キャラクターたちの行動や感情も、「もし自分だったら」と視聴者が置き換えられるリアルさが貫かれています。

制作陣が語る「リアルは難しい」理由とは

脚本の花田十輝氏は、「女子高生×南極」という企画についてこう述べています。

南極という実際に存在する場所をめざす以上、地に足のついた話にしたいという気持ちがスタッフみんなの中にあったんだと思います。

このコメントからも分かるように、本作は“見せ場”よりも“心の動き”を丁寧に描くことに重きを置いています。

また、キャラクターの作り方にも「誰かの共感に寄り添う」意図があり、特に主人公のキマリは、“怖くて学校をサボれない”というリアルな悩みからスタートします。

このように、『宇宙よりも遠い場所』は、同じ制作チームの中でもまったく異なるアプローチに挑戦した意欲作であり、

“リアル”であることを武器にしたアニメの新たな可能性を示してくれた作品なのです。

【宇宙よりも遠い場所】原作・実話・制作背景のまとめ

『宇宙よりも遠い場所』は、その感動的なストーリーとリアルな描写で、今なお語り継がれる名作アニメです。

視聴者が「これは本当にあった出来事なのでは？」と錯覚してしまうほどのリアリティの裏には、緻密な調査と熱意に満ちた制作陣のこだわりがありました。

そして、何よりも特筆すべきは、それが“完全オリジナルアニメ”として生まれたという事実です。

「原作がないのに、なぜここまでの感動を生み出せたのか？」

その答えは、“リアルに寄り添うことでこそ、視聴者の心を震わせることができる”という制作陣の信念にあります。

フィクションでありながら、リアルよりもリアルに感じられる。

だからこそ、『宇宙よりも遠い場所』は、今も多くの人の記憶に残り、“アニメでしか描けない青春”の名作として語られ続けているのです。

よくある質問（FAQ）

• Q：『宇宙よりも遠い場所』に原作はありますか？
  いいえ、原作のない完全オリジナルアニメです。
• Q：南極の描写は本当にリアルですか？
  文部科学省や国立極地研究所、海上自衛隊などが協力し、南極観測のリアルを忠実に再現しています。
• Q：登場する高校や船は実在するの？
  高校：桐生市立商業高校、船：旧「しらせ」がモデルになっています。
• Q：実話に基づいた話ではないの？
  一部に参考にした実在エピソードはありますが、物語全体はフィクションです。

【オリジナルTVアニメ『宇宙よりも遠い場所』PV第2弾】